睡眠時間 長い

睡眠時間

睡眠時間が長い!それ放っておいて大丈夫?

睡眠時間が長い人の特徴や考えられる病気や原因を紹介します。実は睡眠時間が長い人に向いているのは芸術家や研究者などクリエイティブな仕事で天才と呼ばれる人が多かったりします …


睡眠時間シリーズはこちらからどぞ。 ↓

第1回 睡眠時間の理想を決める5つの要因!【調べ方と考え方】

第2回 睡眠時間の平均統計まとめ【最新版2019】

第3回 睡眠時間を最適にする方法【最適化のススメ】

第4回 睡眠時間が短い!短くても質を確保するたった2つの方法

第5回 睡眠時間が長い!それ放っておいて大丈夫?

第6回 睡眠時間が5時間は少ない?多い?どっちなの!

第7回 睡眠時間4時間なら4時間半にすべき理由

第8回 睡眠時間3時間を使いこなす方法

第9回 睡眠時間が6時間でも睡眠不足で困らないたった2つの方法

第10回 睡眠時間は7時間より7時間半の方が良い理由

総集編 睡眠時間の全て【他人ではなく自分で決めよう】

 

「睡眠時間が長いのは困る(日常生活に支障あり)睡眠時間が長いことはいけないの?」

人によって睡眠時間に対する考え方は、違ってしまうかもしれません。それは仕方がないことで、睡眠時間が長いことにはメリットも、デメリットもあるため意見が分かれてしまうのです。

今日は睡眠時間が長い場合、どんなことが考えられるのか整理してみました。

睡眠時間が長いって何時間?

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睡眠時間が長いかどうかを判断するポイントは2つあります。

最新の睡眠時間調査(先日の記事で紹介)を確認すると、睡眠時間の平均は日本で7時間前後というのが一般的なようです。勿論、これは日本の全年齢ということで、実際には年代によって個人差が大きく出るでしょう。

例えば高校生は意外と少なく、受験や部活などで平均は7時間を切ることも少なくありません。年齢別の統計を確認すると、特に40代の男女は睡眠時間が短い傾向があります。睡眠時間が長いかどうか判断する最初のポイントは、こういう傾向値から明らかに逸脱するような睡眠時間だと睡眠時間が長いと考えられるかもしれません。

しかし、睡眠時間は個人の遺伝子(40%)や生活環境(60%)によって決められるもので、遺伝子的に睡眠時間が長い人たちの事を一般的にロングスリーパーと呼んでいます。ロングスリーパーは日本では人口の3~9%の割合で存在すると考えられていて、10時間以上の長い睡眠時間を必要とします。これは何の病気でもなく、体質的にそういうものだという理解が必要になります。

かの相対性理論を提唱したアインシュタインは、1日に10時間以上の長い睡眠を取ったことで有名です。睡眠時間が長いかどうかを判断するポイントの2つ目は、自分に合った睡眠時間より逸脱しているかどうかを確認する事です。

自分に合った睡眠時間の調べ方や決め方は前回の記事でも書いています。↓

睡眠時間が長い!今より削りたい

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睡眠時間が長い、眠り過ぎで日常生活に支障が出ている場合はできる範囲で睡眠時間を削ることも手。

ただ、この場合は医学的に安全な範囲で、睡眠時間を短くしていかないと思いもよらないしっぺ返し(睡眠負債などの慢性化された睡眠不足)があるかもしれません。

正しい睡眠時間の減らし方は、1週間に15分まで。最大で1ヶ月に1時間までです。

おおよそ7時間が睡眠時間の平均だとするなら、5時間まで短縮は安全だと言われています。2時間以上、睡眠時間を削る場合は慎重になった方が良いでしょう。例えば、10時間睡眠で困っている人は短眠術を行ったとしても8時間睡眠までにしておくのが無難だということ。

また、睡眠時間が長いのは病気によるものもあるので、受診前に睡眠時間を削ってしまうと、より悪化させてしまう場合もあるので実際に試す前には注意しましょう。

詳しい睡眠時間の削り方などは下記の記事で説明していますので興味ある人はどぞ。↓

睡眠時間が長い人の特徴

睡眠時間が何によって決められるかは先ほどお伝えしたように、一部遺伝子によって決められている場合もありますが、その多くは生活環境(習慣)によって決まって行きます。(病気によって睡眠時間が長くなってしまう場合は後ほど説明します)

なぜ生活環境によって決まってくるのか、これは体内時計(概日リズム)と大きく関係しています。生活環境が悪いため体内時計が狂ってしまい、就寝・起床のリズムがズレているのに気づかず睡眠を取ろうとするため、中途覚醒が起きやすくなります。

途中で目が覚めるというのが増えれば、睡眠の質が下がり起床時刻になっても起きるに起きられないようになりやすく、今度は早く寝ようとするなど体内時計と睡眠リズムをさらに悪化させがちで結果、睡眠時間が長くなってしまいます。

睡眠時間が長い人は天才型?

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一方で、睡眠時間が長い人の特徴の1つに、短い人と比べ内向的で物静か神経質といった性格的な傾向があります。

睡眠時間が長いと睡眠の特徴として、浅い睡眠(レム睡眠)が多くなりがちです。このレム睡眠は記憶の整理をしている時間帯です。PCで言うならば再起動状態とも言え、睡眠時間が長いため、活動時間はその分少ない一方でパフォーマンスは高い状態が維持できます。

また、レム睡眠中には夢を見やすい特徴があり、そういう特徴も相まって睡眠時間が長い人には、芸術家や研究者、開発者などクリエイティブな仕事で活躍する傾向が多いようです。

睡眠時間が長いと様々な健康リスクも

一方で、睡眠時間が長いと様々なリスクも増えます。

つい先日に発表された、国心臓協会(AHA)ジャーナルに掲載されているTara Narula医師による研究報告では、約330万人を対象とした74項目におよぶ研究結果によると、一晩の睡眠時間が長い10時間の人は平均的な睡眠時間である8時間の人と比べ、早死にする確率が30%も高くなり、脳卒中と心・血管疾患で死に至るリスクも高まると論文で発表しています。

加えて、睡眠時間が長いと、炎症の発症増加、昼夜リズム逆転による生理機能の変化、免疫システムの弱体化など健康リスクを高めてしまうと。

これは平均的な睡眠時間の人と比べた場合で、多くの場合に考えられるのは睡眠時間が平均的だということは、生活環境も整っている場合が多く疾病リスクが下がっている、のではないかと考えられています。

ようは睡眠時間が長いことが直接的な要因ではなく、実際には生活環境(習慣)が悪いことが直接的な要因で、そういった人は睡眠時間が長い傾向があるという参考になります。

睡眠時間が長いと考えられる病気

特発性過眠症

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特発性過眠症の症状の1つとして睡眠時間が延長し、睡眠時間を制限しない状況になると、1日の総睡眠時間が11時間以上に長くなりがちです。

数ヵ月にわたって、毎日16~18時間も長い眠りに陥ってしまう場合もあります。持続性あるいは反復性の日中に起きる過度の眠気を主症状とする睡眠障害の1つです。そもそも特発性とは、原因が判明していないことを指す言葉で、現時点で特発性過眠症の原因は判明していません。

特発性過眠症の診断には、睡眠障害の検査ができ環境が整った専門的な病院で睡眠ポリグラフ検査(PSG)と反復睡眠潜時検査(MSLT)の検査が必要となります。治療法は、生活指導と薬物療法を組み合わせて行います。

やはり夜間睡眠時間の確保が前提となります。

非器質性過眠症(Nonorganic hypersomnia)

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眠症は、睡眠不足ではないのに長い時間の睡眠、昼間の無意識な睡眠、睡眠惰性(睡眠から覚醒したあとの寝ぼけ)などが生じる疾患です。

主要な睡眠(多くは夜間)が10時間以上続く人もいます。しかし、長い時間眠ったにもかかわらず、回復感がなく、目覚めが悪いのが特徴です。昼寝も長くなりがちで、だいたい1時間以上は続きます。

長い睡眠は、心理的ストレスやアルコールの使用によって、一時的に増加することがあります。他に、ウイルス感染が過眠に先行、あるいは伴うとも報告されています。例えばHIV肺炎、伝染性単核症、ギランバレー症候群などです。

はっきりした器質的原因がない場合は、精神障害と関連していることが少なくありません。双極性感情障害のうつ病相、反復性うつ病性障害、あるいはうつ病の症状として、長い睡眠はしばしば認められます。

反復性過眠症(クライネ・レビン症候群)

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これは非常にまれな睡眠障害で、10歳代で発症するケースが多く、女性よりも男性の有病率が約4倍高いとされます。

3日から5週間程度(平均は10日間)の傾眠状態(強い眠気をもよおす状態:過眠病相)が続き、昼夜を問わず、毎日16~20時間も繰り返し長い睡眠をすることが特徴的です。このような過眠病相(過眠エピソード)が通常1年に1回以上(平均3ヵ月に1回)起きることから周期性傾眠症とも呼ばれています。

クライネ・レビン症候群の症状は、大きな声で揺り起こすなど強い刺激を与えると、一旦は目を覚まします。ぼんやりとして口数は少なく、集中力や注意力も散漫となり、新しいことへの関心や興味が薄れて、放置すると眠り込んでしまいます。

この病気は原因が全く不明で治療法が確立されていません。いったん過眠の病相期(長い眠り)が始まると治療が困難となってしまいます。

躁鬱病(そううつ)

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一般的に双極性障害と呼ばれ、躁状態とうつ状態という、2種類の「病相」を繰り返す病気です。

うつ状態では、長い睡眠(過眠)という症状が見られることもあります。放っておくと、多くの場合再発し、年と共に再発までの間隔が短くなる傾向があるため予防療法を行うのが一般的です。

原因は、脳内の情報伝達の乱れによると考えられています。ストレスはきっかけにはなりますが、直接の原因ではありません。多数の遺伝子と環境の相互作用によって決まると考えられています。

まとめ

睡眠時間全体は長い場合、眠りの質では、短時間睡眠者にかないません。

実は睡眠時間が長い人と短い人とでは、実際に熟睡している時間の長さはほとんど同じだと言われています。「質が良ければ睡眠時間が短くていい」という訳ではありませんが、睡眠時間が短い人との違いは深く短いか、浅く長いかの違いでしかなく、それぞれにメリットデメリットがあり一長一短なのです。

次の睡眠時間シリーズはこちらからどぞ。↓

あとがき

睡眠時間が長いと、病気であることが一番心配です。

特に日常生活に支障がない場合は、気楽に考えて自分は天才型だと割り切って、自分に秘められた可能性を信じることをお勧めします。私も睡眠時間は長い方で、「これはいけないことなのかな?」「怠けているのかな?」と思う時期もありましたが、他人と比べるのはやめて、今は割り切っています。

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