分割睡眠

睡眠ノウハウ

分割睡眠(多相睡眠)に危険性は?【デメリット・メリット】

分割睡眠は多相睡眠と呼ばれ危険性(デメリット)を教えてくれる記事は見かけません。下手をすれば寿命が縮まる事も。分割睡眠法を身につければ、1日の自由度がかなり上がる一方で、そのリスクも存在していることを忘れてはいけません …


分割睡眠をしている人たちの中で、自ら分割睡眠を望んで実践している人たちは、一体どれだけいるのでしょうか?

一定数以上の人たちは、仕事や家事、学業などにより、思うように睡眠時間が取れないため、仕方なく分割睡眠を行なっているに過ぎないケースは決して少なくないでしょう。分割睡眠という言葉さえ知らずに、でも分割睡眠を実践している、人たちは大勢います。

分割睡眠は、不眠症や過眠症などの睡眠障害を始め、あらゆる人たちの睡眠時間を、最適化する最もお手軽な方法として、分割睡眠は様々な睡眠専門家の注目を集めています。分割睡眠に興味がある、分割睡眠を実践してみたい、今日はそんな分割睡眠を、余す事なく紹介できればと思います。

分割睡眠(Segmented sleep, divided sleep)とは

分割睡眠

分割睡眠は多相睡眠(Polyphasic sleep)とも呼ばれ、人工照明開発以前の人類が行なっていた眠り方です。

夜に1回の主睡眠をしている通常の単相睡眠(Monophasic sleep)と異なり、夜間などの主睡眠以外に複数回ほど睡眠を取る方法のこと。分割睡眠を実践していて有名なトーマス・エジソンは決められた感覚で30分の睡眠を1日に6回の合計3時間、レオナルド・ダヴィンチは、4時間ごとに15分仮眠を1日に6回の合計1.5時間の睡眠時間を取ったと言われています。

比較的、睡眠時間が6時間未満の短い人たち(ショートスリーパー)には分割睡眠の特徴がよく見られています。実は分割睡眠とは、動物本来(動物の一般的な)の眠り方で、生まれたばかりの赤ちゃんや幼稚園児が昼寝を必ずするのもまだ単相睡眠に慣れていないからという考え方もあります。

一方で人工照明の無い環境で生活すると睡眠も多相型に戻ってしまい分割睡眠となるようです。

分割睡眠の危険性

一部の分割睡眠の人たちに共通することは睡眠時間の短さです。

逆も然りで、睡眠時間が短くなってくると自然に単相睡眠では日中の活動パフォーマンスを維持できないため、自然と分割睡眠に移行してしまいます。分割睡眠では、一度に眠れる時間が単相睡眠に比べ短くなってしまいます。

睡眠には浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)を繰り返して休息します。睡眠時間が短くなるにつれ、人の防衛本能が働きますので睡眠が深くなり少ない睡眠時間でも休息できるよう睡眠の質が上がります。しかし、これはレム睡眠の犠牲によってノンレム睡眠が多くなっているだけで、本来の睡眠の在り方ではありません。

レム睡眠には記憶の定着や整理をする機能がありますので、このレム睡眠を犠牲にすることは日中の認知力や記憶力といった判断力に関わるパフォーマンスが著しく低下しがちになってしまいます。ようは、人より日中の活動限界が短いということ(ガス欠になりやすい)です。

分割睡眠の人たちは、単相睡眠の人より、日中の昼寝(仮眠)だけでなく食事などのエネルギー補給と休息を意識的に行う必要があります。油断をしてしまうと、一気に日中のパフォーマンスが下がってしまうことを忘れてはいけません。

分割睡眠と寿命の関係

分割睡眠

分割睡眠と寿命の関係を明らかにする研究は未だに発表されていませんが、もし仮に寿命と何らかの関わりがあるとすれば、分割睡眠というより分割睡眠による慢性的な睡眠不足(睡眠負債)による死亡率の上昇でしょう。

仕事、家事、学業などで分割睡眠をせざるを得ない人たちにとっては、睡眠不足とは常に隣り合わせです。睡眠不足になると、老化促進、代謝の悪化、免疫低下、血圧上昇などを始め肥満、糖尿病、心臓病のリスクが高まります。うつ病や自殺のリスクさえ上がってしまいます。

また、睡眠不足になっていると肺炎になるリスクは1.39倍、死亡率は2.4倍も上昇するという研究データさえあります。

分割睡眠のデメリット

分割睡眠

分割睡眠のデメリットは大きく分けて3つあります。

まず、分割パターンによっては1日の区切りがつけにくいといった点。単相睡眠者は、睡眠前と後で1日の区切りをつける場合が多いのですが、分割睡眠となると活動時間が単相睡眠よりも増えるため、1日の区切りが一般的な人たちと異なる場合が多くなり困惑してしまうことも少なくありません。今までの夜と朝の印象がガラリと変わってしまいます。

2つ目は、慣れるまでに相当な時間がかかってしまう点。多くの人たちは小学生以降は単相睡眠しかしてこなかったはず。最低でも10年、20年と単相睡眠の習慣は根深い習慣となっています。明日からすぐに分割睡眠、という訳には行かず徐々に移行しなければならない(1週間に15分、月に1時間の睡眠時間の削減が限度)など正しい方法で体に慣らしていく必要があります。

3つ目は、イレギュラーに弱い点。不規則な生活をした場合、単相睡眠よりも分割睡眠の方が睡眠リズム(体内時計)に影響しやすいと言われています。意外と思うかもしれませんが、分割睡眠はいつでも睡眠が取れる一方で一度、自分のリズムを崩してしまうと本来のリズムに戻るための体の負荷は単相睡眠よりも増えてしまいます。

分割睡眠の正しい導入手順

いま睡眠時間が7時間あるとした場合、6時間の主睡眠と1時間の昼寝(仮眠)へと分割睡眠にシフトしたい場合。

まず急に睡眠時間を1時間減らすのは辞めましょう。医学的に健康を維持しながら睡眠時間を減らす限度は1週間に15分までとされています。睡眠時間を減らす際のルールを紹介します。

  1. 布団の中にいる総時間を睡眠時間とする
  2. 睡眠時間を削るペースは最大で15分/週とする
  3. 1週間の内、3回失敗(寝坊)すればやり直し
  4. 2日連続の失敗(寝坊)はNG

寝起きや日中に、眠気を感じる状況が1週間続くようであれば、いったん睡眠時間を削るのを辞めて計画を見直しましょう。睡眠時間を減らしている期間には昼寝(仮眠)を一定間隔で取るようにしましょう。

詳しい睡眠時間の削り方などはこちらの記事でも説明しているので参考にどぞ。↓

分割睡眠の設計(例)

分割睡眠

係留睡眠(アンカー・スリープ)という分割睡眠の一部の睡眠時間帯を固定して睡眠時間を設計するのも手。

人によって生活環境・習慣(体内時計)が違うため最も睡眠効率の良い時間帯は人によって異なりますが、一般的(朝起きて夜眠る人)には午前1時から5時の4時間が最も睡眠の質が上がりやすい時間帯だと呼ばれています。具体的な分割睡眠の設計例を紹介しておきます。

睡眠時間 3時間 分割睡眠

  • 単相(Monophasic)

合計睡眠時間;8時間

8時間の主睡眠(5セットの睡眠リズム)

 

  • 2相(Biphasic)

合計睡眠時間;6.3時間

6時間の主睡眠(4セットの睡眠リズム)、20分の仮眠1回

 

  • 通常 (昼寝 2回)

合計睡眠時間;5.2時間

4.5時間の主睡眠(3セットの睡眠リズム)、20分の仮眠2回

 

  • 通常 (昼寝 3回)

合計睡眠時間;4時間

3時間の主睡眠(2セットの睡眠リズム)、20分の仮眠3回

 

  • 通常 (昼寝 4-5回)

合計睡眠時間;3時間

1.5時間の主睡眠(1セットの睡眠リズム)、20分の仮眠4-5回

 

  • ダイマクション(Dymaxion)

合計睡眠時間;2時間

6時間毎に、30分の仮眠(計4回)

 

  • ウーベルマン(Uberman)

合計睡眠時間;2時間

6時間毎に、20分の仮眠(計6回)

まとめ

分割睡眠を実践するためには正しい方法で導入する必要があります。

一歩間違えば、単なる睡眠不足の出来上がりとなっては元も子もありません。また、睡眠時間は遺伝子(40%)と生活環境・習慣(60%)で理想的な睡眠時間は決まります。今日は、生活習慣・環境を変える事をお伝えしましたが、遺伝子によって睡眠時間が決められている場合(体質によって合う合わない)があるという可能性は実際に取り組む前に確認しておきましょう。

ようは、自分に分割睡眠が合わなければ早々に辞めてしまうのも手だということ。

あとがき

ピンからキリまで説明したつもりですが、後から見直すと情報が足りないと思うこともありますが、現時点では合格ラインでしょう。(個人的な思い込み)

また機を見て追記(更新)しようと思います。Twitterなどでコメント貰えれば早めにその範囲は追記するので遠慮なく絡んでくださいっ

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