レム睡眠発見者の一人であり、スタンフォード大学睡眠医学研究所の
ウィリアム.C・デメント 初代所長は睡眠負債という概念の生みの親。
スタンフォード大学は、アメリカでいち早く睡眠医学に注目した大学の1つです。
デメント氏は1975年に睡眠学会を立ち上げ、学会誌”Sleep”を刊行。
睡眠研究における第一人者だといっても過言ではありません。
以下は、NHKが取材したデメント氏によるコメントを抜粋しました。
睡眠負債という概念について
睡眠負債は、眠りの借金です。誰しもが毎日一定の睡眠時間を必要としており、
それより睡眠時間が短ければ、その足りない分が徐々に溜まって睡眠負債となります。
当然ながら、この状態を永遠に続けることはできません。
なぜなら負債が大きくなりすぎて、全く起きていられなくなるからです。
睡眠負債が人体に与える影響について
人が大量の睡眠負債を抱えると、どんな状況下であれ、眠りやすくなります。
ですから、最初に懸念されるのが居眠り運転です。車を運転しながら眠ってしまうのです。
反応時間とか、いくつかのことに影響が出ます。
知的機能が全般的に落ちます。また、身体機能も落ちるという証拠も集まっています。
睡眠不足は様々なパフォーマンスや心拍などにマイナスの影響を与えることがわかっています。
デメント氏は自著の中で、こう端的に述べています。
睡眠負債は、少しずつ蓄積していく。
8時間の睡眠が必要なヒトが、平日は6時間しか眠れないとすると、
2時間×5日で10時間の睡眠負債を抱え込むことになる。
たとえ土曜日に昼まで寝たとしても、それだけでは足りない。
計算上は午後5時まで眠らないと負債は消えないのだが,,,(略)
体内の覚醒メカニズムによってそこまで寝ていられないのが普通だ。
1963年にウィリアム・C・デメント博士により創設された「スタンフォード大学睡眠研究所」は、
世界の睡眠医学を牽引しており、数多くの睡眠研究者を輩出していることから「世界最高の睡眠研究機関」と呼ばれている。