ナルコレプシーの症状を今すぐチェック!多くの原因が不明のナルコレプシーですが、日中の眠気(睡眠発作)と情動脱力発作を中核症状として、睡眠麻痺、入眠時幻覚、夜間の睡眠障害の5つが主な症状です …
第1回 ナルコレプシーのセルフ チェック法!居眠り病の可能性も!?
第2回 ナルコレプシー と は?【健常者の眠気との違い・リスク】
番外編 その1 睡眠麻痺はトラウマになる【対処と治療まとめ】
番外編 その2 入眠時幻覚が怖い!【恐怖の実態と現実】
第5回 ナルコレプシーの病院選び【2019最新版・都道府県別】
居眠り病と呼ばれているナルコレプシー 、一般的には4つの症状と言ったりしていますが、実は睡眠に関わる症状は実は5つあります。
その他にも関連して起きる症状も含めれば、大きく9つも症状はあります。どのような症状が必須症状で、随伴する症状はどれなのか、、、今日は睡眠に関わる、ナルコレプシーの5大症状にフォーカスして、お届けしようと思います。
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ナルコレプシーの主症状『睡眠発作』
睡眠発作はナルコレプシーの必須症状で、日中のあり得ない状況で眠気を感じて実際に眠ってしまうことです。
ナルコレプシーの眠気は、健常者が日中に感じる眠気とは比較になりません。例えるならば「丸3日ほど徹夜をしている状態で興味のない映画を暗闇の中で見せられている」状態の眠気に匹敵すると言われ、食事をしていようが、歩いていようが、関係なく意識を失うように眠り込んでしまいます。
実際に眠り込む時間は数分~數十分で、2~3時間置きに睡眠発作(猛烈な眠気)が起きてしまいます。ナルコレプシーはいくら睡眠時間を確保しようが夜間に十分な睡眠の質が長い間取れないため、こうして昼間に確保しようと緊急的な機能が症状となってしまうのです。
この症状の怖い所は、仕事や家庭・学校などでの評価が著しく下がりやすいことで、怠け者などといったレッテルを貼られてしまうことも少なくありません。また、運転中など眠ってはいけない場面で症状が起きてしまうと命に関わることもあります。
ナルコレプシーの主症状『情動脱力発作』
情動脱力発作はナルコレプシーの必須症状で、喜怒哀楽の感情が強く動いたときに全身、首、腰、ひざ、ほほ、あご、まぶた、などの姿勢筋の力が急に抜ける症状です。
健常者でも徹夜明けなどで感じたことがあるかもしれませんが、ナルコレプシーは日常で起こってしまいます。この症状は数秒~数分ほど持続し、そのまま眠り込むきっかけとなる場合が多く、その際には後ほど説明する睡眠麻痺や入眠時幻覚などの症状を併発しがちです。
眠気を伴わない情動脱力発作もあり、その時には意識ははっきりしていて周囲と会話もできます。てんかんのように意識を失ったりはしません。この症状の怖い所は、感情を表に出さないように家族や友人との接触そのものを避けたり、接触しても自分を抑えてしまい人間関係が思うようにいかないことが増えます。
また、喜怒哀楽を抑えてしまうため統合失調症のきっかけにさえなってしまう可能性も否定できません。
ナルコレプシーの副症状『睡眠麻痺』
睡眠麻痺とは一般的に金縛りと呼ばれ、睡眠中に起こる睡眠障害です。
麻痺という言葉のように寝ていると急に目が覚めるのですが、体を動かせなくなります。人によっては睡眠麻痺の直前に自覚できるようになるなど耐性を持てるようになるものの、体が麻痺してしまうため多くの場合は恐怖を伴います。
詳しくは下記の記事で詳しく説明しています。 ↓
ナルコレプシーの副症状『入眠時幻覚』
入眠時幻覚とは、睡眠麻痺と同時に起こることが多くまさに恐怖の象徴とも言われています。
ナルコレプシーの症状の中で最も精神的なストレスを感じてしまう症状です。ようは、現実と区別がつかないような悪夢を寝入りにみてしまうということ。よく、睡眠麻痺の際に心霊現象を感じたり不審者の存在を感じたりする場合があります。人によって入眠時幻覚の内容は違いますが、トラウマになってしまうほどの恐怖感を感じてしまいます。
詳しくは下記の記事で詳しく説明しています。 ↓
ナルコレプシーの副症状『夜間の睡眠障害』
睡眠は浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)を繰り返すことで体と脳を休めます。
一般的には入眠後に深い眠りを行うのですが、ナルコレプシーの場合は入眠して浅い眠りに入りがちで、寝付きは比較的良いのですが、中途覚醒などを始め寝ている時に目が覚めやすく、健常者に比べ深い睡眠が少なくなってしまいます。
朝、起きても「よく寝た」という熟眠感を感じることが少なく、長年続いてしまうため睡眠リズム自体が狂ってしまい悪循環に陥ってしまいます。
ナルコレプシーの随伴症状『自動症・頭重・頭痛・複視』
自動症
自動症には口をもぐもぐしたり、ものを噛む動作をしたり、口をならしたり、飲み込み動作などの食機能自動症、手をもじもじしたり、服のボタンをいじったり、手をふりまわしたり、こすりつけたりするなどの身振り自動症、あるい動き回ったりする歩行自動症などがあります。
- 落ち着かない様子で体を動かす舌をならす。
- 舌なめずりをする。唇をなめる。唇を咬む。舌を突き出す。口をモグモグさせる。
- 顔をなでまわす。手をもむ。腕を振り上げる。着物の端をつまむ。ボタンをはめたりはずしたりする。ポケットをつまんで裏がえしにする。
- 戸を開けたりたたいたりする。近くの物や人に関心を示すしぐさをする。人を威嚇するようなしぐさをする。手慣れた作業(洗濯物をたたむ、皿を並べるなど)をする。
- 家の中や外を歩きまわる。家から飛び出す。崖をよじ登る。
などが代表的な症状で眠気のある時の行動を、覚えてないことが多くなってしまいます。
頭重(ずおも)
頭が重い、頭が締め付けられるような感じを頭重感と表現します。
この頭重感により、頭がぼーっとしてふらふら・ふわふわとしためまいを併発するケースが多いようです。頭重は、首と後頭部のつなぎ目の部分の筋肉の緊張やコリが、症状を引き起こすケースが多くみられます。
それ以外にも、姿勢の悪さから首・肩こりが強かったり、精神的なストレスによる自律神経のバランスの不調から、筋肉の緊張やコリを引き起こしてしまう場合もあります。一般的な治療には、筋肉の緊張を緩め、内耳・脳内への血流を改善させることが必要になります。
頭痛
頭が痛い場合、その誘因や症状は様々です。
風邪や二日酔いによる頭痛、また片頭痛のような慢性的な頭痛は、命に別状ありませんが、日常生活に支障が出るなどの厄介な頭痛です。また、くも膜下出血や脳出血などによる突然の頭痛は、すぐに命取りとなるような危険な頭痛です。
これらの頭痛の見分け方や対処の仕方などは下記の記事で詳しく説明しています。 ↓
複視
物が、二重に(2つに)見えることを複視といいます。
人は、通常、ものを見るときは両眼で見ています。正常であれば両眼で見ても1つのものは1つに見え、これは両眼の視線が見られる物体に完全に一致し、両眼の像が融合して見えるからです。しかし病的な状態となり、1つのものが上下・左右・斜めなどにずれて2つに見えることがあり、これを複視と呼んでいます。
複視には、片目で見ても2つに見える片眼複視と片目で見ても1つなのに両眼で見ると2つに見える両眼複視があります。
まとめ
ナルコレプシーは、未だに認知の低い病気です。
その症状はもっと理解されないことが多いでしょう。どの症状を取っても、自分ではどうしようもない場合が多く、ナルコレプシーの疑いがある場合は早めに受診して正しい治療が必要になります。一般的な治療は薬物療法ですが、夜間の睡眠障害や睡眠発作もほとんどなくすことも出来るようになります。
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あとがき
一般的に発病したての10代の頃は、健常者でも眠気が強い時期であり症状は比較的強くでます。
5年、10年といった期間で見ると明らかに軽くなっていくケースが目立ちます。10年間治療を続けると1割くらいの人は眠気が非常に軽くなり、2割くらいは情動脱力発作が、約3割は入眠時時幻覚が、約4割の人に睡眠麻痺が、それぞれ薬がいらない程度に軽くなるようです。