毎日長い時間働き、
かつ休息がしっかりとれていない日本人こそ
この仮眠法を取り入れてみて欲しい。
世界の超一流企業(エクセレントカンパニー)が、
こぞっって採用するのがパワーナップです。
ほとんどの日本人は、
この仮眠法を知っていても、
実践している人は少ないんです。
疲れが取れない原因で最も多いのは、
しっかり眠れていないことです。
脳と体の休息は眠っている時に行われるので、
夜間に十分な休息が出来ていない場合、
このパワーナップが役に立ちます。
実は今回、
昼寝特集をしましたが、
その多くは昼寝という日本的な意味合いより、
パワーナップ的な意味合いの方が強かったんです。
昼寝の特集は終わりましたが、
当初から告知していたように、
番外編(総集編)としてパワーナップの全てを紹介します。
今までの昼寝特集はこちらからどぞ。
第5回 午睡(ごすい)の本当の意味・厳密には昼寝とは少し違う使い方
第7回 昼寝して頭痛は危険のサイン?その原因と対策のすべて!
目次はこちら
パワーナップとは
昼寝の効能は、
近年、「パワーナップ(power-nap)」として
世界中で注目を集めています。
パワーナップは、
コーネル大学の社会心理学者、
ジェームス・マース氏の研究に基づく造語で、
昼寝やうたたねを意味する「nap」と「power-up」をつなげたもの。
マース氏は、日中の10分から30分程度の短い仮眠、
パワーナップは脳と体を休ませるために
最大の効果を発揮する睡眠法であると提唱しています。
現在、ほかにもさまざまな大学や研究機関で、
パワーナップの効果を裏付ける検証が行われています。
パワーナップの効果(詳細は後ほど記述)
パワーナップは、
最小の時間で睡眠効果を最大化させる方法として知られています。
NASAをはじめとして世界で注目されているパワーナップのすごい効果は、
- 一気に疲れが取れる
- 仕事のパフォーマンス
- 作業効率が上がる
- 不注意なミスが減る
- 脳のクリエイティビティが上がる
- 昼の眠気に負けなくなる
- 勉強にも効果が出る
- 頭の疲れをとる
- リフレッシュできる
- 不眠や健康にも効く
企業の昼寝制度(パワーナップ制度)
「昼寝制度」とは、
企業が生産性の向上を目的として、
就業時間中に社員が仮眠をとることを認める制度のこと。
アメリカでは、NASAや米国海兵隊などの国家レベルの組織から、
GoogleやApple、Microsoftといった
世界有数の企業(エクセレントカンパニー)まで積極的に導入しています。
そのことから今、
世界中で注目されるようになりました。
眠気に襲われた状態で仕事をしても頭が働かず、
アイデアが出なかったりミスをしたりして、
結局、時間がかかってしまう場合があります。
それより、短時間の睡眠をとって頭をすっきりさせた方が、
仕事がはかどると合理的に考える文化がアメリカを中心に広がっています。
日本でも、
厚生労働省が2014年3月に公表した「健康づくりのための睡眠指針2014」において、
午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝をすることが、
眠気による作業能率の改善に効果的であるとしており、
昼寝の効能が公的な“お墨付き”を得ています。
最近は、昼寝制度やパワーナップ制度を導入する企業も増え始めてきました。
仮眠をとる場所は「どこでも可」とする企業もあれば、
間仕切り付きのソファを置いた専用スペースを設ける企業もあり、各社各様。
導入後は、経理部門で眠気による計算ミスを削減できた、
車で外回りをする営業担当が居眠り運転のリスクを減らせた、
といった効果が出ているケースもあります。
こうした制度を導入する場合、
一般的に、多くの職場では「勤務中に居眠りなんて」という意識が強いため、
上司が率先して仮眠をとることが浸透、定着につながるようです。
いち早くパワーナップ制度を取り入れた企業の声
- 株式会社OKUTA
事業内容:増改築のリフォーム・リノベーション・新築の企画、設計、施工、アフター管理、不動産仲介
経理などの数字を扱う社員からは、
眠気によって起こるケアレスミス、
打ち直しや確認作業が大幅に減ったと言います。
必ず聞かれるのが、売上は上がったか、
残業時間は減ったというデータはあるか、
ということですが、
一概にパワーナップの効果だと結び付けることはできません。
残業もしかりです。
社員の働きやすい環境整備こそが、
パワーナップの大きな効果と言えます。
- 株式会社Speee
事業内容:デジタルコンサルティング事業、インターネットメディア事業、医療事業など
仮眠兼集中スペースがあって良かったという声をよく聞きます。
女性だとやはり周期の関係で体調不良に悩む人も多いですが、
今まではそういう時に休めるスペースがなかったんです。
ですが仮眠スペースを導入したことで、
辛いときに横になったり、
体勢を崩しながら自分の楽な格好で仕事ができたり
するのが嬉しいという声をたくさん聞いています。
- GMOインターネットグループ
事業内容:インターネットインフラ事業、インターネット広告・メディア事業、インターネット金融事業、モバイルエンターテイメント事業
定量的なデータはないのですが、
利用している人の意見を聞くと、
『午後に集中できるようになった』
『午後の会議で眠くならなくなった』
という声が多く挙がっています。
パワーナップの特徴
- 短時間でいい
- 仮眠室、仮眠ベッドも不要
- 仮眠環境がない人も昼寝ができる職場じゃない人でもできる
パワーナップで仕事効率向上
代表的な例は、NASA(アメリカ航空宇宙局)のレポートで、
昼に26分間の仮眠をとると、
認知能力が34%、注意力が54%も向上したというデータがあります。
眠気に襲われる前にパワーナップをすれば、
脳の疲れがリセットできるので、
眠気が消え作業効率が向上するという仕組みです。
パワーナップでクリエイティビティ向上
Appleの創業者スティーブ・ジョブズが
仮眠出来ないような会社では働きたくない
と言ったように、
睡眠とクリエイティビティには深い関係があります。
睡眠不足だと脳に疲れがたまり、脳機能が低下します。
よって、自由な発想や斬新なアイデアが生まれにくくなってしまいます。
また、世界的なWeb新聞サイトハフィントンポストの創業者
アリアナハフィントンも著書の中で睡眠不足はクリエイティビティ、
生産性、意思決定にネガティブな影響を与えると言っています。
脳科学的にだけでなく、
経験的なアプローチから賢者はパワーナップの効果を既に実感しているのです。
パワーナップで学習効果向上
身近な例で言うと、
福岡県立明善高校の2005年から3年間の午睡という昼寝制度のレポートです。
希望者のみの参加なので正確かどうかは別として、
センター試験成績が右肩上がりになったという。
- 勉強のやる気が出た
- 成績が上がった
- 授業中の居眠りが減った
- 午後の授業に集中できるようになった
など生徒自身の体感がデータと相関しています。
パワーナップで睡眠不足を補う
パワーナップ(昼寝)は
夜の睡眠の3倍ほど効果があると言われています。
パワーナップにより血圧が安定し脳の疲労感が取れるので
リフレッシュ効果が実感できます。
昼の20分の仮眠で8時間分のスタミナを回復することができる
カリフォルニア大学の心理学者サラ・メドニック助教授
このことから、
疲労回復効果という側面からのみ言えば
パワーナップは一晩の眠りに相当する効果が得られます。
パワーナップでストレス解消
忙しい状態で頭を使い続けていると脳がオーバーヒート状態になります。
コーヒーやタバコなどでストレスを軽減する場合と
比較にならないほどのストレス解消効果がパワーナップにはあります。
昼の仮眠(パワーナップ)は、
脳のクールダウンを促してくれるので、
頭がスッキリして、オーバーヒート状態から解放してくれます。
パワーナップで健康促進
ギリシャのアテネ大学のデミトリオス・トリホプロス博士が
シエスタ(パワーナップ・昼寝・昼間の短い仮眠)と
心臓病発症との関係性についてレポートしています。
30分間の昼寝を週3回以上すると心臓病のリスクが37%低下、
午後にパワーナップをすると血圧が下がるため高血圧にも効果がああり、
心臓病だけでなく脳梗塞、糖尿病の防止効果があると発表しました。
脳の疲労回復やストレス解消とといった側面を考えると、
パワーナップはとても効率の良い健康法の1つだということがわかります。
コンディショニングはプロとしての流儀
コンディションの調整はスポーツ選手だけではありません。
ビジネスパーソンは、
言うならば毎日が試合だと言っても過言ではありません。
仕事の流儀は十人十色ではありますが、
プロの流儀として共通しているのは試合に向けたコンディショニングです。
パワーナップは脳と体のコンディションを整える最も基本的なツールなのです。
パワーナップのやってはいけないリスト
とりあえず、昼に仮眠を取れば良いんでしょ?
と安易に考えて、
間違ったパワーナップによって効果を実感できない人が意外と多いようです。
大きく3つのありがちな失敗例を紹介します。
間違ったパワーナップ1「夕方に仮眠をとる」
午後3時以降に仮眠をすると、
夜の睡眠に悪影響が出る可能性があります。
夕方に眠くなったとしても出来るだけ我慢しましょう。
間違ったパワーナップ2「30分以上眠る」
仮眠時間が30分以上になると、
深い眠りに入ってしまいます。
スッキリするどころか、
逆に気分が悪く疲れてしまうので注意力や集中力は低下してしまいます。
間違ったパワーナップ3「横になって仮眠をとる」
横になってしまうと深く眠り過ぎてしまいます。
短時間で起きるのが難しくなり、
強い睡眠惰性も働くため午後の仕事に影響する可能性が出てきます。
パワーナップのルール
- 正午から午後3時まで
- 眠る時間は15~20分
- カフェインを摂取する(苦手でなければ)
カフェインはその作用(覚醒効果は時間差があるため)を利用して、
短時間で起きるための工夫なのでカフェインが苦手な人は除外しても構いません。
パワーナップ後に、睡眠惰性(まだ眠りたい)が強い場合は
次回より自身の摂取しやすい緑茶や紅茶などカフェインを摂取するようにしましょう。
パワーナップの具体的なステップ
パワーナップ前にカフェインを取る
コーヒはできれば、アイスよりホットの方が吸収が早いのでホットをおすすめ。
ココア、チョコレート、コーラ、栄養ドリンクなど代用でもOK。
パワーナップの開始
横にならずに眠ること、15分~20分以内の仮眠にすること。
場所はどこでも構いません、
椅子一つあれば良いのですから。
目覚ましを設定して目をつぶり、
仮眠に入りましょう。
眠る前に「アラームの音がした瞬間目覚める」など
起きる瞬間のイメージを強く暗示する方法はパワーナップだけでなく、
夜間の睡眠時にもおすすめの方法。
パワーナップ時の明かりは気にし過ぎないようにしましょう。
パワーナップの覚醒
眠気を一瞬で断ち切る方法は3つです。
ストレッチをする、冷たい水で顔を洗う、日光を浴びる。
ストレッチをして血流を良くし、
洗顔は自律神経のスイッチを交感神経に切り替え、
心拍数や血圧、体温を上げます。
日光を浴びれば脳と体は覚醒するので完璧でしょう。
大切なのは、睡眠惰性を断ち切ることです。
まとめ
仮眠の一種であるパワーナップの目的は
あくまでパフォーマンスを上げるために行うものです。
睡眠不足を補うのは
あくまで補助的な意味合いだということを覚えてお来ましょう。
人は本来、1日に何回か眠るようにできている(多相睡眠)ようで、
パワーナップにより本来の人の眠り方を取り戻すことができます。
あとがき
ほとんどの動物が1日に複数回の睡眠をとっていて、
1日に1度の睡眠は食物連鎖の頂点に立つライオンや人類くらいだということに驚き。
「あ・な・た!怠惰ですね〜」
ほとんどの人がわからないと思いますがアニメネタです(笑)
パフォーマンスを向上したいなら、
一日に何回か仮眠を取るのもアリだと改めて思いました。
これで本当に昼寝特集は一旦終わり。
番外編、ちょっと詳しく書き過ぎたかもしれませんが、楽しんでもらえたら嬉しいですっ
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