寝起きの鼻血にびっくりして目が覚めた時、原因がわからず、軽いパニックになってしまいがち。寝起きに鼻血が出る理由、鼻血タイプ分け、応急処置、予防法など …
寝起きシリーズの目次は下記リンクよりどぞ ↓
第1回 寝起きに頭痛、それ放っておくと癖になる?対処法まとめ
第5回 寝起き が 悪い 人は必見!パッチリ目覚めるたった3つの習慣
第7回 寝起きにめまい!放っておくと危険な理由と原因・治し方
第14回 寝起きの腹痛は放っておくと危険!今すぐ原因をチェック!
第15回 寝起きに喉痛い!原因はたったの3つ!【対策まとめ】
総集編 寝起き大百科【永久保存版まとめ】
誰もが鼻血が出るというのは、思い込みでおおよそ全体の4割は、一生に一度も鼻血を経験しないという、話を聞いたことがあります。
一般的に風邪をひきやすい人は、鼻に炎症が起こり鼻血が出やすくなります。大人になって急に鼻血が出るのは、脳の病気なのではないかと疑ってしまいます。寝起きに急に鼻血が出たら、かなりショックで何が起きたのか、わからくて「えっ、どうして?」、とパニックになってしまうかもしれません。
今日は、寝起きに鼻血が出てしまう、メカニズムを紹介します。
目次はこちら
鼻血の仕組み
鼻腔(鼻の中)はその奥行きが意外に深く、構造も単純な空間ではなく鼻甲介という粘膜のひだで、幾つかの室に仕切られています。
こうした鼻腔を構成している粘膜にはたくさんの血管があり、どの血管が傷ついても鼻血(鼻出血)という症状が出現するのですが、鼻血が出る最も多い場所は、鼻入口部より5mm程深部の鼻中隔に分布する血管網で、ここはキーゼルバッハ部位と呼ばれています。
ちなみに鼻血の80%以上は、このキーゼルバッハ部位からの出血と言われていて、動脈性の出血であることが特徴です。
寝起きに鼻血が出る原因
寝起きに鼻血が出るというより、鼻血が出るためそのことに気づき目が覚める、という表現をした方が良いかもしれません。
例えば日中に鼻血を出してしまったりすると、睡眠中に鼻に違和感を感じて無意識に触ってしまうことがあります。固まっている傷を刺激して寝起きに鼻血が出てしまうケースが最も多いと言われています。
睡眠中(特に朝方の寝起き前)に体温が上がってしまうことも関係しています。上昇する体温によって血管が拡張し出血してしまいます。血圧が高い場合、寝起き前などの早朝に血圧がさらに上がりやすくなりますので、寝起きに鼻血が出てしまいます。
寝起きに鼻血が出やすいのは、幼小児(子ども)と中高齢といわれていて、寝起きに鼻血が出てしまう原因は大きく2つに分けられます。
突発性鼻出血
原因となる病気が特にない場合です。
- 鼻をほじる、鼻をこする、鼻を強くかむ
- 洗顔などの前屈による頭部のうっ血
- 温度の変動。
- 運動時の血圧上昇
- 感情激動(興奮)
症候性鼻出血
鼻や副鼻腔に原因疾患が存在する時や、全身性に出血傾向をひきおこす病気がある場合など、何らかの病気がある場合です。
病気は、局所的な原因と全身的な原因に分けられます。
- 局所的な原因
- 炎症性疾患、急性鼻炎など
- 腫瘍性疾患、悪性腫瘍、鼻副鼻腔の血管腫など
- 外傷、血管異常など
- 全身的な原因
- 血液疾患 出血性素因のある場合。たとえば白血病、紫斑病、再生不良性貧血、血友病など
- 薬剤性 アスピリン、ワーファリンなど内服による凝固能低下によるもの
- その他 肝疾患による凝固系の異常、高血圧など
突発性鼻出血は機械的・物理的刺激によるものです。
寝起きの鼻血はほとんどの場合(8割)、突発性鼻出血といわれていて、まず初めに疑います。症候性鼻出血を始めとした深刻な病気による寝起きの鼻血はごく少数です。
子どもと大人で寝起きの鼻血にも傾向がある
子どもが寝起きに鼻血を出す原因は鼻炎や湿疹、鼻をいじる癖や外傷、夏場ののぼせなどが多く、鼻の粘膜が弱っているタイミングで起こります。
一方で、大人が寝起きに鼻血を出してしまうのは、高血圧、糖尿病、肝臓の病気、血栓症などの治療に使われる血液の固まりを抑える薬(ワルファリン)や、血小板のはたらきを抑える薬(アスピリン)などの内服、妊娠や月経、鼻の中にできた腫瘍など、血管が破れやすい状態や出血が止まりにくい状態が原因となり、一般的に鼻以外の全身的な問題が原因となるケースが多くなる特徴があります。
他に考えられる原因
- 飲酒や喫煙による血圧の上昇(高血圧)
- 寝不足を始めとしたストレス全般による自律神経失調症
- 糖尿病による血管異常
- 腎不全の前兆
- 上咽頭がんの症状
寝起きの鼻血が危険か安全かを見分ける方法
外傷もなく寝起きの鼻血が繰り返す場合は、高血圧、血液疾患、鼻腔内悪性腫瘍などの疑いがあります。
とくに高齢者の鼻血は軽視禁物です。できるだけ早いタイミングで医療機関(耳鼻科・内科など)を受診しましょう。また、寝起きに鼻血が出て適切に処置をしたにも関わらず鼻血が止まらない、あまりにも大量に出血している場合は動脈からの出血の可能性があり、医療機関で専門的な処置が必要になります。
寝起きに鼻血が出た時の対処
ほとんどがキーゼルバッハ部位(鼻の入り口に近い静脈)からの出血です。
- 衣服をゆるめ、イスなどに座らせて、ややあごを引いた姿勢になります。
- 鼻翼(小鼻)を両側からつまんで5~10分くらい圧迫、呼吸は口で行ないます。
- 洗面器などを用意し、口に落ちてきた血液は吐き出します。
- 顔面が紅潮していたら、額や鼻の周りに冷たいタオルをあてます。
応急手当5~10分で止血ができます。
出血が止まらない、頻繁に繰り返すときは医療機関(耳鼻科・内科など)を受診しましょう。横になるときは顔を横向けに、血液を吐かせやすくし、気道への誤嚥(読み:ごえん=誤って飲みこむこと)を防ぎます。
民間療法として知られている、顔を上に向け頸部(けいぶ;首の後ろ)をたたく方法は全く効果がないばかりか、衝撃で出血があおられ、血液も飲み込みやすく、むしろ逆効果で危険な方法です。絶対にやめましょう。
他には、鼻血は上を向いて血はゴックンなんてのもNGです。
寝起きに鼻血が出ない予防法まとめ
- 手の爪を切っておく
- 鼻の中を乾燥させない
- 血管や粘膜を強くさせる
鼻の中を乾燥させないために、マスクや鼻の入り口にワセリンを塗るなどが効果的でしょう。
血管や粘膜を強くするための栄養素は、
- ビタミンC(赤ピーマン・ゆず・パセリなど)
- ビタミンB2(レバー・魚肉ソーセージ・納卵など)
- たんぱく質(しらす干し・いか・ツナ缶など)
- フラボノイド(大豆・ごま・緑茶など)
- タンニン(紅茶・くるみ・蜂蜜など)
です。
鼻の粘膜が弱いと言う人は、意識的に食事に取り入れると効果があります。
まとめ
寝起きに出る鼻血の多くは気にしなくて良い可能性がある一方で、直接的な鼻以外によって鼻血が起きるという怖さを知っていれば、万が一「おかしいな」と思っても、「もしかして」と対処できるかもしれません。
大人になって何もしないで、鼻血が出るというのはちょっとおかしいなと思った方が良いかもしれません。
次の寝起きシリーズはこちらからどぞ ↓
あとがき
私は子どもの頃、よく鼻血を出していたのを、記事を書きながら思い出していました。
私の記憶では、鼻をほじっていないのに、何で鼻血が出るんだろう?とずっと思っていましたが、それは無意識の内に鼻をほじって、いたのかもしれませんねっ(笑)
この記事へのコメントはありません。