早朝覚醒は治し方があります。今や20代でもストレスやうつにより早朝覚醒になってしまう人も少なくありません。実際に早朝覚醒が治ったという声は他の不眠症に比べ多く、原因や対策、漢方や薬を併用した治療法さえあります。早朝覚醒とは、おさらばして二度寝の快楽を再び味わいましょう…
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第3回 中途覚醒、不眠症の中で最も危険な症状って知ってました?
早朝覚醒とは、その名の通り朝早くに目が覚めてしまう事です。
なかなか朝起きるのが辛い寝坊助さんもいる一方で、早朝というか、夜中に目が覚めてしまうのが早朝覚醒。早朝覚醒の一番辛いのは、まだ眠気があるにも関わらず寝入る事が出来ないこと。ようは、二度寝できない状態のことなんです。眠気があるため、ベッドから出ようにも億劫になってしまい、眠れないから更にストレスが溜まってしまうという悪循環にハマってしまいます。
早朝覚醒は4つある不眠症の1つで、朝までに2回以上目が覚めてなかなか眠れなくなる「中途覚醒」と併発するケースも少なくありません。違いは、寝入ってから目が覚めた後にもう一度寝入ることができるかどうか。寝入ることが出来、頻繁に目が覚めてしまうようであれば中途覚醒。寝入ることが出来なければ、早朝覚醒ということになります。
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早朝覚醒とは
早朝覚醒(Sleep offset insomnia)
寝付くことができても、朝早く目が覚めてしまい、再び入眠できない状態である。合計睡眠時間が6.5時間に達する前に、覚醒が(30分以上)早く起こり、睡眠に戻ることができなくなる。
Wikipedia より抜粋
生活スタイルによって朝なのか、夜中なのか、目が覚めてしまう時間帯は人それぞれですが、早朝覚醒のポイントは3つあります。
- 予定した起床時間より早く目覚めてしまう
- まだ眠りたいのに二度寝できない
- 睡眠時間が6時間30分未満
こういった症状が少なくとも、1ヶ月以上続いた場合には早朝覚醒の可能性を、疑った方が良いでしょう。
自分の予定した起床時間より2時間以上、というのが1つの目安になります。注意したいのは、そもそも睡眠時間を6時間30分以上、とっている場合には早朝覚醒と言いません。例えば、午後9時に就寝して朝5時に起きてしまうからなど。こういった場合には、睡眠時間は十分に取れているので、必要以上に早朝覚醒だと神経質になる必要はありません。
朝早くても出来る散歩などの運動や読書、隣人の睡眠の邪魔にならないような、家事や趣味、仕事の時間として活用する方向性も考えてみましょう。
早朝覚醒は20代でも
最近、多くなっているのが10代~20代の若者不眠症。
若いうちだからといって大丈夫だろうと思い込んでいるケースが多いからか、比較的、慢性化してから病院で相談するケースが増えています。日中の集中力の低下や眠気が酷く、原因を調べてみると半数以上が深夜までゲームをしていたりインターネットに熱中して睡眠時間が不足してしまうということ。
他には、職場の人間関係や仕事でのプレッシャーによる原因が次いで多いようです。
早期覚醒はうつが原因になることも
早期覚醒に限らず、不眠症などの睡眠障害全般に言えることではありますが、身体的な原因より精神的な原因の方が多いようです。
実はうつ病の8割以上は何かしらの睡眠障害があると言われています。うつ病による睡眠障害は大きく分けて不眠症と過眠症で、うつ病には前者が多く、(後者は双極性障害(躁うつ病)で起こりやすい)うつ病と睡眠障害には深い関係があります。実は、うつ病だから不眠症があるという場合も多いのですが、不眠症だとうつ病にもかかりやすいことが発表されています。
そのリスクは通常の4倍というデータもあります。うつ病の怖い部分の1つで、本来の体内リズムを崩してしまうので睡眠障害も抱えやすいという特徴があるんです。
早朝覚醒のストレス対策
現代はストレス社会だと言われていますが、ある程度のストレスは精神衛生上、または健康に生きてゆくために、必要な要素だと言われています。
個人差はありますが、ある程度を超えてしまうと自律神経が乱れ、交感神経が優位になりがちになってしまい、早朝覚醒の原因となってしまいます。通常、夜に眠るときは副交感神経が優位になって脳と身体をリフレッシュしてくれるんですが、過剰なストレスによって交感神経が優位になってしまい早朝に目が覚めるという悪循環に。ストレスへの対策はいたってシンプルです。
大きく分けて3つ紹介しましょう。
- リフレッシュする方法を見つける
まずは、ストレスを発散させるための運動やアロマやマッサージなど自分に合った方法を見つけ定期的に生活に組み込むことです。
- 寝室にこだわる
寝室の3原則は光、音、温度や湿度です。遮光カーテンや騒音対策、ホワイトノイズの活用も良いでしょう。
比較的、暖かいより涼しい状態の方が眠りに適しています。また、住居環境にもよりますが、寝ること以外に寝室を使わない、必要なもの以外置かないという工夫も手。
- ストレスの原因を解決する
これが最も根本的で効果的な対策ですが、最も時間と労力がかかってしまいます。
まずがストレスの原因を探ることから始めなければいけませんが、自分のことは自分でもわかってない、もしくはわかりにくい場合もあるのでカウンセラーを利用してみるのも良いでしょう。
早朝覚醒に悩む人たちの口コミまとめ
ここで紹介するのはあくまで口コミ。
専門家などではなく、根拠のない意見も含まれていますが一般の人がどう感じているのか、思っているのか参考になればと思って抜粋しました。
3~4時に目が覚めた時に起きる、というサイクルが自分にあってるかどうか、しばらく試してみてはいかがでしょうか?
横になっているのと体を起こすのとでは、疲労回復の度合いが相当違うと思うので、とりあえず横になっているほうがいいのではないでしょうか。
朝の時間を有効利用することで、特に問題なく過ごしています。静かにできる家事や、読書編み物などの趣味の時間にあてたり、気候がいい季節は外を歩いています。
私の場合、原因は会社とハッキリしています。次の日が休みの場合は早朝覚醒はないので、明らかです。
眠れないときは、寝なくてもいい、そう思った方が気が休まって翌日に眠れたりします。あまり早寝しない方がいいみたいですよ。
寝なきゃいけないと思うと焦るので眠くてもいいや、仕事中に倒れなきゃいんだからと思いやり過ごしてます。
睡眠障害があれば、先ずカフェインの過剰摂取を改善することが第一です。
カフェインは非常に濫用されていますが立派な医薬品であり、眠気を覚ます薬理作用や利尿作用があり多くの不眠の原因になっています。
薬は恐れることはないと思いますが、飲まないに越したことはないです。
薬がなくても、眠れるようになったら、医師と相談して少しづつ減らしていってください。いきなり止めると、もっと眠れなくなります。
開き直り、自分にはこのリズムが合ってるんだと自覚したら、短い睡眠時間でも深い眠りにつけるようになりました。
デパスは一番ポピュラーなお薬です。
飲んでる方は大変、多いです。ですから、そんなに心配する事はないです。
今、改善した理由がわからず探っているところですが、ここ1年くらい、ぐっすり寝た!と思えるくらい眠れるようになり、早朝覚醒も格段に減りました。
早朝に目が覚めても以前のように眠れないということはなく、そのまま横になっているとまたいつの間にか寝入っています。
早朝覚醒に効く薬
最近、早朝覚醒に効果のある新薬も登場しています。
睡眠障害に使われる睡眠薬(睡眠導入剤)には作用時間の長いものと短いものがあるので、症状によって使い分けるのがポイント。早朝覚醒の場合、効果は朝まで続いて欲しいので長めのものを選びましょう。作用が長い睡眠薬として新たに登場したのがベルソムラ錠(一般名はスボレキサント)。オレキシン受容体拮抗薬というタイプの医薬品で、過剰に昂ぶった脳の覚醒中枢を鎮めてくれます。
覚醒中枢が過剰に働いている人は多いので、睡眠を改善する医薬品として期待されていいます。
早朝覚醒が改善できるサプリ
早朝覚醒にだけ効くサプリではありませんが、まずどんな栄養素が必要かというと必須アミノ酸である『トリプトファン』を摂取する必要があります。
コレは睡眠ホルモンであるメラトニンを分泌させやすくするための栄養素です。また、トリプトファンに限ったことではありませんが、過剰摂取は逆効果ですのでご注意を。
じっくり漢方で早朝覚醒と向き合いたい
中途覚醒には、虚実を問わず加味逍遙散が有効です。
女性の不定愁訴に用いられる代表的な漢方薬“産婦人科の三大漢方薬”のひとつで、月経異常や更年期障害など、女性特有の症状によく用いられます。
体力があまりない人で、肩がこる、めまいや頭痛がするなどのほか、のぼせや発汗、イライラ、不安など、不定愁訴といわれる多様な心身の不調に広く用いられます。逍遙とはぶらぶら歩くことを意味しますが、「加味逍遙散」もさまざまに移り変わる症状に効果があることからつけられた名前です。
三大漢方薬はいずれも「瘀血(おけつ)」(*)を取り除く「駆瘀血剤(くおけつざい)」ですが、「加味逍遙散」は、「気逆(きぎゃく)」からくる神経の高ぶりにも、「気うつ」からくる抑うつにも効果があります。ストレスによる心身の不調をあわせて改善現代では、ストレスによって頭痛やめまい、不安、不眠などの症状に悩まされる人が少なくありません。
「加味逍遙散」は、そうした心身の不調にも使われます。
(*)「瘀血(おけつ)」:「血(けつ)」がなんらかの異常で滞っている状態
不眠症の記事で漢方薬の事詳しく載せています 。↓
目覚める時間帯で決まる身体の不調
東洋医学では、起きてしまう時間帯によって身体の不調がわかるという考え方もあります。
ただ、これは早朝覚醒という訳ではない事、何が違うのかと言うと目覚めても、また二度寝する事ができると言う事。ようは、「いつも同じ時刻に目が覚め、また寝入ってしまう」こんな自覚症状があれば、身体の不調が不眠症の可能性かもしれません。
診断方法はいたって簡単、目が覚めてしまう時間から不調箇所を探ります。これは、体内時計が深く関係しています。東洋医学では、体内時計のことを身体の気の流れの変化だと捉えています。身体の気は、おおよそ2時間ごとに各臓器を移動してゆき、気が多い臓器は活発になってゆくのです。
- 午後11時~午前1時
不調の可能性;胆
失望や辛辣、うっ積した憤りを覚えやすい。
- 午前1時~午前3時
不調の可能性;肝
怒り、恨み、ネガティブなエネルギーが最も高まる。
- 午前5時~午前7時
不調の可能性;大腸
感情障害、罪の意識、八方塞がりな気分になりがち。
心当たりのある場合は、治療をするだけで早期覚醒が改善する可能性があります。
注意したいのは、生活習慣によって不調をきたしている場合は、その習慣を見直す必要がりますので言わずもがなでしょう。
上記でも改善しない、すぐにでも治療を受けたい場合
大切なのは、自覚があったらすぐに専門機関(内科か精神科・心療内科)へ行き、的確な治療を受けることです。
まとめ
早朝覚醒は他の不眠症よりも改善しやすい傾向があります。
それは、根本的な不眠症(早朝覚醒)を改善するというより、早朝覚醒と良い付き合いができるようになりやすいということです。ようは、考え方次第で補完しやすいということ。他の不眠症と併発している場合は、別ですが早朝覚醒の場合は入眠できずイライラしたり、途中で目が覚め十分に眠れず不安になってしまうこともありません。
早朝覚醒の言い方を変えれば、「眠いけど予想より早く起きたのでいっそのこともう起きてしまうか」という状態。目覚めた状態にもよりますが、考え方を変え意識を変えてみると、予想外の早起きの一種だと言っても良いでしょう。
これをアンラッキーと捉えず、まずは自分に合わせた睡眠サイクルにアレンジしても良いかもしれません。
ようは、昼寝を活用するんです。早朝覚醒の場合は、6.5時間未満の睡眠時間の場合なので睡眠時間が足りず充足感を感じられない場合、ちょっと長めの昼寝(90分前後)をしてみるのも良いかもしれません。昼寝というより仮眠に近いですね。
勿論、20分の昼寝でも構いません。昼寝には夜間の3倍もの睡眠(休息)効果があるので、たった20分でも1時間分の睡眠時間として補完できます。昼寝に関して詳しいことはこちらの記事に書いています。↓
あくまで私ならそうするという話で、こういった考え方なんて出来ないという人もいるでしょう。
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あとがき(2018/12/16追記)
早朝覚醒は治しやすい(補完しやすい)と言えど、睡眠障害の1つですから睡眠に対する満足度を大きく下げてしまいます。
早朝覚醒と昼寝(仮眠)はとても相性が良く、慢性的な睡眠不足を補うためにも睡眠に対する満足度を上げるためにも役立ちます。そうするとストレスマネージメントも自然と良い流れ(好循環)へと突入してゆきます。「病は気から」という言葉ではありませんが、特に睡眠に関しては心の状態で睡眠の質は大きく変化しがちだということを覚えておいて損はありませんっ