睡眠負債とは何か、言葉くらいは耳にしたことあるのではないでしょうか。
NHKでの特番『睡眠負債が危ない』から始まり、睡眠負債に関する本も数多く出版され、
2017年には流行語にさえなってしまいました。
睡眠負債は大人だけでなく、
テスト勉強などしますから子どもにとっても無関係ではありません。
対策は昼寝をすることだなんて耳にしますが、果たしてそれは本当か。
眉唾かもしれませんが、睡眠負債に良いと言われる食べ物だって、出てきました。
まず自分には睡眠負債があるのかチェックしたことない人は、
診断することから始めてもいいかもしれません。
実際に睡眠負債があった場合、解消するための現実的な解消方法はあるのか気になるところ。
睡眠負債というだけに、負債を返済することができるのか、
返済できず永遠に背負ってしまうのか、利息が発生するのか(笑)、ほんとうの方法を調べてみました。
”まんじゅうこわい”なんて落語のように、
面白ければ良いのですが睡眠負債には面白いオチがあるのか徹底検証です。
睡眠負債とは
毎日、1,2時間程度のちょっとした睡眠不足が、まるで借金(負債)のようにじわじわと蓄積される。
いま睡眠研究の分野ではこうした”蓄積した睡眠”というのを睡眠負債(Sleep Dept)と呼んでいます。
症状としては、脳のパフォーマンス低下させてしまい、仕事や家事の能率が低下してしまいます。
怖い部分は、気づかないうちにとか、知らず知らずのうちにという特徴です。
また、命にかかわる病気のリスクが高まることは言わずもがなでしょうね。
睡眠負債が続くと認知症の原因とされる物質が脳に蓄積しやすくなることや、
がん細胞の増殖を加速させることもわかってきたようです。
睡眠不足とは英語で、
- Insufficient sleep (不十分な睡眠)
- Lack of sleep (睡眠の欠乏)
などと表現され、睡眠負債(Sleep Dept)は直訳です。
睡眠 + 負債、借金、債務
これは、抱え込んだものは返済しないとなくならない。
累積・蓄積されることを意味すると考えれば、
不十分や欠乏と違って、もっと連続的なイメージが近いのではないでしょうか。
レム睡眠発見者の一人であり、スタンフォード大学睡眠医学研究所の
ウィリアム.C・デメント初代所が睡眠負債という概念の生みの親。
ウィリアム.C・デメントの睡眠負債に関するコメント → 睡眠負債の生みの親 ウィリアム.C・デメント
実際みんなはどうなの?
NHKが”睡眠負債大調査!”と題して、一般の人に睡眠負債があるか調査を行った。
どんな調査か簡単に言えば、普段から睡眠負債が溜まっている人は、
好きなだけ寝られる環境を提供したら、通常よりも返済のための睡眠を取るのではないか。
逆に言えば、睡眠負債のない人は、いつもどおり起きられるということ。
ようは、「寝溜め」が起きるかどうかで睡眠負債の有無を判断しようってこと。
提供した環境など詳しく説明できるけど長くなるのでここまで。
結果は!!
60%以上が2時間以上プラスになった、ようは睡眠負債を抱えている人は6割ほど。
おおよそ日本の6割は睡眠負債のリスクを抱えているという推論も一定の説得力あり。
また、NHKが行った実験は、自宅でも簡単に試すことができます。
週末や休日などの前夜、光が当たらないよう寝室の遮光をしっかりして、
時計やスマホなど時間がわかるものを近くに置かずに寝てみる。
次の朝、眠気がなくなるまで、ぐっすり眠り、眠かったら二度寝OK。
いつも通りの睡眠か、返済睡眠モードに突入するのか体験してみましょう。
じゃあ、一体どれだけ眠ればOKなのさ
1日6時間の睡眠では睡眠負債が溜まっていく可能性があることは、
米ペンシルベニア大学で行われた実験で強く推察される結果が出ています。
基本的に7時間前後。7~8時間が最も健康被害がない理想な睡眠時間。
ただ、これも年齢・性別・日中の活動強度などの影響を受けます。
ただし、5時間を切ってくるといろいろと危険性が増してきます。
やってみよう睡眠負債チェック
これは最近1ヶ月の状況を思い浮かべて8つの質問に答えるだけ。 → 睡眠負債リスクチェックリスト
NHKの特番内では25万人超が参加して、母数の多さはさすが公共放送といったところ。
平均睡眠時間は5時間58分、判定高21%,中39%,低40%でした。
OECDの平均睡眠時間調査結果は7時間43分ですから、大幅に少ない。
(母集団と人数によって偏りを考慮すべきですが)
睡眠は量より質なんてこと誰が言ったの!
眠りの質は確かに重要ですが、睡眠の長さ・量が足りていないと、
様々な問題が起きるということがわかっていまして、
睡眠の質が良いから時間が短くていいというのは間違っているように思います。
明治薬科大学 准教授 駒田洋子
いうならば、どっちも大切だということですね。
ただ、一方的に「質があれば量はいらない」なんて偏った考えは間違っているということ。
今ふと思ったんですが、ショートスリーパーって方いますよね。
その人たちは、睡眠負債で破産してしまわないのか疑問が残ります、、
これはまた別の機会に書くとしましょう。
まとめ
睡眠が足りていない状態を「睡眠不足」といわず、
「睡眠負債」という言葉で表現するとこがブラックジョーク風でおかしい。
ですが借金同様に、
眠りの自己破産にならぬよう油断は禁物です。
この「睡眠負債」がたまって返済が滞ると、
首が回らなくなり、しまいには脳も体も思うようにならなくなる
まさにこれが「眠りの自己破産」ではないでしょうか。
人生の1/3を睡眠に費やす人類だからこそ、睡眠を味方につけるのは大きなテーマだと思っています。
量より質、と思ってましたが、量質転換など「量に勝る質はなし、質は量のなかに在る」、
という言葉もあるようにある一定の量は必要なんだなと改めて思いました。
知らず知らずに溜まったツケを支払う余裕なんてありません(笑)
時間がある時に、
何回かに分けて睡眠負債をクローズアップしたいと思っています。
編集後記
「寝溜めをすれば、一気に睡眠不足はチャラ」なんて発想があったので、
若い頃は週に1度ぐっすり寝溜めをして遊ぶなんてことをしてたのを思い出しました。