ショートスリーパーはいま密かに注目されています。一生の内、28年分は睡眠時間です。もし自分の力でなれるものならなってみたい、でもデメリットを考えると躊躇してしまう。人間の三大欲求の1つである睡眠欲を捨てるという決断なんてすぐにできる訳ありません。ならばショートスリーパーの一歩手前までなら興味ありませんか。
ショートスリーパーに関する記事は以前も書きましたので、詳しいことは下記の記事からどぞ。
ショートスリーパーには興味がある、でも一気に1.5時間とか3時間になんか出来ない。天才と言われたレオナルド・ダ・ヴィンチは、4時間ごとに15分のパワーナップ(昼寝・短時間の仮眠)で、1日90分の睡眠だ!なんて無理して真似する必要なんてありません。
今から紹介する短眠術を身につければ睡眠時間を5時間まで減らせる可能性大です。(一般的な睡眠時間6~10時間以内の人に向けた記事です)
目次はこちら
短眠術とは
短時間の睡眠でも脳と体が満足し、スッキリ目覚めて、日中のパフォーマンスも最大化できる眠り方です。
平均的な7時間前後の睡眠をとる人が、睡眠時間を削減していくには正しい睡眠時間の削り方でないと、逆効果になってしまいます。
その上で、短時間で脳と体の疲れが取れるよう、睡眠の質を高める必要があります。睡眠時間が短くなると、朝と夜に時間が作れるので、余裕を持った生活ができるようになります。5時間までであれば、多くの人が健康的に睡眠時間を短くできます。
この好循環に突入すれば、仕事や勉強だけでなく趣味や家事など、充実しやすくなり幸せの輪へと転換してゆきます。
即寝・即起きの方法
睡眠時間の削り方
まず一番最初に手をつけないといけないのが、寝入りと寝起きの時間を節約することから。
この部分を削減するのが、睡眠時間を削る上で最も手っ取り早い方法です。理想的な状態は、布団に入れば瞬時に眠れ、決めた時間帯に自然に目が覚め、すぐ布団から出られること。無理に睡眠時間を減らしても、それはきっと続かない人が多いでしょう。
睡眠時間は、自己流ではなかなか削ることは難しいんです。睡眠時間の特徴として、一度、短い睡眠時間に慣れてしまうと、自然とそれ以降も維持できるようになります。
これは、睡眠時間と生活習慣が密接にリンクしていて、睡眠時間が短く無理なく慣れた生活環境によって、自律神経のリズムも整い睡眠の質も上がり、睡眠サイクルが好循環にハマってしまうからです。
即寝の方法
布団に入って5分以内に入眠することで、深い眠り(ノンレム睡眠)に入るまでの時間が短縮できます。
1, 布団を眠る場所にする
多くの場合、布団が眠る場所になっていません。
- テレビをみる
- スマホをイジる
- ゴロゴロする
- 考え事をする
ここに挙げたのはNG一例で、布団の中をダラダラする場所にしてはいけません。
また、布団を見ていいのは寝るときだけ。できれば寝室に睡眠と関係ないものは持ち込まないようにすること。勿論、眠れない時もあるでしょう。布団に入って30分以上眠れない場合は、布団から出るようにしましょう。
暖かい飲み物、クラシックやストレッチなど、気持ちが落ち着くようリラックスしましょう。
2, 4つの香りが眠りを誘う
実は睡眠薬に匹敵すると言われるのが、今から紹介する香りです。
- ラベンダー
- シダーウッド(セドロール)
- コーヒー(香りのみ)
- 玉ねぎ(強すぎは逆効果)
これらは全て科学的に睡眠効果が、立証されているものばかり。
3, 悩みを布団に持ち込まない
悩みやイライラなどを、布団に持ち込まないようにするために、布団に入る前に気持ちが落ち着かなければ、ノートに書き出しましょう。(スマホやPCはNG)
整理したり、解決しようしなくて、単に書き出すだけ。そして書き終えたら、「よし今日はこれでおしまいっ」と実際に声に出して終わること。これで潜在意識に強く言い聞かせることができ、布団の中で考えることが少なくなります。
4, 追想法(レミニセンス)で考える前に寝る
追想法(レミニセンス)は、寝るだけで問題を解決しようとする方法。
詳しく説明すると、寝ることで人は古い記憶が整理され、新しい記憶と結びつくことで、新たなアイデアが浮かぶという方法です。かの発明家エジソンや、ノーベル賞を受賞した湯川秀樹 博士も、この手法によって難題を解いたと言われています。
5, 腹式呼吸で入眠スイッチを入れる
入眠するには自律神経を整えないといけません。
ここでは詳しく話しませんが、腹式呼吸によって自律神経のスイッチを、切り替え整えてくれます。腹式呼吸はとても便利で、眠気を誘うだけでなく睡眠の質を高める効果もあります。
6, 入眠儀式を作る
赤ちゃんなどによく使う手法ですが、眠る前の決まったルーティンをする事で、潜在的かつ反射的に睡眠へと意識づけする事ができます。(1,で紹介した方法と近い)
大切なのは、毎日同じ行動を習慣づけること。例えば、歯を磨き、トイレに行く、メガネを置く、指輪を外す、など寝る前の一連の行動をまずは考えてみましょう。理想的な入眠儀式は、何も考えずにできるようになること。
実は、睡眠の前に、このワンクッションがリラックス効果が高まり、自律神経が整い入眠スイッチが入りやすくなります。
7, ブルーライトを見ない
仕事のメールをみただけで、エスプレッソコーヒーを2杯のんだ時と、同じくらいの興奮状態になる
という言葉があるように、ブルーライトやメールの中身は興奮材料となりやすいので、寝る前のメールチェックなどは厳禁です。
即起きの方法
もっと寝ていたいというようなストレスを抱えながら起きたり、起きてから数時間頭が働かないといったことを防ぐことができれば即起きでるようになります。
1, 自己覚醒法(自己暗示)を使う
目覚ましがなくても起きられる人は、目覚めの1時間前から心地よく目覚めができるホルモン(副腎皮質刺激ホルモン)の、分泌が緩やかに上昇するという共通点があります。
これは、体質の問題ではなく、起きる時間に合わせて副腎皮質刺激ホルモンを分泌し始め、目覚めてすぐ活動できるよう脳と体の準備を整えているんです。目覚ましがなく自然に起きるために必要なこと、それは何時に起きたいか強く思い描くだけでいいんです。
嘘のような話ですが、これは様々な実験で立証されています。もともと人間には、何時に起きようと強く意識するだけで、その時間に起きるように体内時計を調整する機能が備わっているんです。自己暗示できない場合は、意識づけが弱い場合が多く枕を5回叩くなど、何かと合わせて潜在意識に落とすのも手。
2, 5分だけ二度寝(1度きり)
二度寝に関しては、こちらの記事で詳しく説明しています。
3, アイソメトリックスを使う
寝起きに体をほぐし、体の隅々まで血液を巡らせ、体温を上げるための効果的な運動です。
ポイントは2つ、
- 呼吸を止めない
- 動かす部位をしながら力を入れ10秒静止
どのようなものでも構いません、寝起きに手軽にできるものを選びましょう。
4, 朝シャワー
体を目覚めさせるためには、体温と血圧を上げることが重要です。
冷え性や低血圧の人は、自分の力だけでは体温や血圧を上げることは難しく、結果として体が活動する準備を整えにくくなります。熱め(40~42度)のシャワーだと、ヒートショックプロテインというたんぱく質が作られ、免疫機能も高めてくれます。
5, 甘いもの
チョコレートなどの甘い食べ物は、脳の栄養となるまでの即効性があります。
血糖値と血圧が上がり、それにつられて体温も上昇します。バナナには、目覚めを促すセロトニンの原料となる、トリプトファンが多く含まれているので、よく朝食に出ていたりします。
睡眠の質の上げ方
睡眠の質をあげるために大切なことは、とにかく入眠3時間の質を上げること。
紹介する中でも手っ取り早いのが、
- 寝具
- サプリメント
- エアコンなどの寝室暖房(冷房)器具
お金を使いさえすれば、誰もがすぐに取り入れることができ、かつ即効性が期待できます。
1, 睡眠に必要なアミノ酸サプリ
人間の1/5はアミノ酸で出来ている、という話はよく聞くかもしれません。
その中でも睡眠の質を高めるために、必要なアミノ酸は3つだけ。
- グリシン
グリシンを摂取すると入眠をサポートするほか、ノンレム睡眠の時間と最深度への到達速度が増加する。
主に、魚介類(エビ、ホタテ、カニ、イカなど)に含まれます。
- トリプトファン
必須アミノ酸で体内では生成出来ません。
トリプトファンは睡眠ホルモンであるメラトニンを、作る材料(セロトニン)を作るために必要不可欠です。主に、乳製品(牛乳など)、豆類、バナナ、アボガド、肉類などに含まれます。
- GABA
GABAにはリラックス効果があり、実は睡眠薬はこのGABAの働きを増強しているもので、医学界からも信頼されているアミノ酸。
主に、玄米、胚芽米、アワ、ヒエ、大麦といった雑穀などに含まれます。
寝る前にサプリメントを飲む、もしくはその要素を摂取できるような食事を、取り入れるようにしましょう。
2, 睡眠前の食事に気を配る
睡眠は、空腹状態に比べると格段に質が悪くなります。
満腹になると、満腹ホルモン(レプチン)が分泌され、催眠効果に眠くなりますがこれは眠りを誘うものではなく、消化のために胃腸を働かせるため。胃腸の働きがひと段落するまで約3時間かかります。
残業など、どうしても夜が遅くなってしまう場合、間食をうまく使うなどして寝る前のドカ食いはNG。
3, 快眠は枕とマットレスで決まる
寝具(枕とマットレス)を選ぶ上で、最も気をつけるべき点が、寝返りの打ちやすさ。
寝返りは睡眠リズムを切り替えるスイッチとなってくれるので、スラムダンクではありませんが、「寝返りを制する者が睡眠を制す」と言っても過言ではありません。
マットレスで気をつけるポイントは、低反発マットレスは横になった時の姿勢が安定する代わりに、体をホールドし過ぎるので寝返りしにくくなってしまいます。
同じマットレスを使っていて、マットレスが凹んでいないか確認することもチェック材料。枕は、横向きになった時に額、鼻、あご、胸のラインが、一直線になっているかを確認すること。自分に合う枕が無ければ自作するか、オーダーメイドしましょう。
(枕 自作動画↓)
4, 毛布の上に寝る
毛布を布団の上に置いてしまうと、寝返りが出来なくなります。
なので、布団のベストは羽毛布団。そして、毛布は下に敷いて、毛布を掛けるのではなく毛布の上に寝ましょう。
5, ぐっすり眠れる色は緑
寝室や寝具の色を変えると、自律神経を整えてリラックスでき、睡眠の質が上がります。
黄色も高い睡眠効果がある、青色は体温を下げる作用もあるので夏におすすめ。
6, 寝酒・寝タバコはだめ
お酒は寝つきをよくしても、睡眠の質を下げてしまいます。
アルコールが体内で分解され、アセトアルデヒドになり眠りを浅くしてしまいます。寝タバコも、最近の実験では、浅い睡眠の割合が24%増え、深い睡眠が14%減る、加えて、入眠までの時間を5分も延ばすと言われています。
7, 夏冬に最適な寝室環境は
夏の寝室は、26度のエアコン設定がベスト。
一方で冬の寝室は、16~19度のエアコン設定がベスト。また、人間が最も快適に眠れる湿度は、50%前後です。
8, パジャマで寝る
普段着で寝ると、睡眠の質が落ちる可能性があります。
まず、リラックスできる服装、締め付けのないパジャマ。パジャマと部屋着での睡眠効率の差について、ワコールとオムロンが共同で行った実験によると、パジャマ着用の有無で夜中に目覚める回数が約15%も変わりました。
9, 眠ってはいけない時間
人の眠りに最も不向きとされている時間帯、それは就寝の2~4時間前。
0時に寝る場合は、20~22時。寝てはいけないというのは、1日のうちで最も体温が高い時間帯だからです。この時間帯に運動や入浴をしてしっかり体温をあげておけば、体温が下がったとき、就寝の直前に眠りやすくなります。
睡眠時間を減らすコツは日中の仮眠
実は人間本来の睡眠の取り方は、多相睡眠という1日の睡眠を何度かに分けて取る方法です。
実は時間と場所がなくても、できる仮眠はあります。
- ナノナップ(一瞬~数秒の仮眠)
たったの数秒でも目を閉じれば脳は休まり頭が冴えわたります。
- マイクロナップ(1分ほどの仮眠)
コツは強い眠気を感じる前にとること、脳の感情が少し整理されます。
前向きな言葉を自分に掛けるとさらに効果が上がります。
- ミニナップ(10分ほどの仮眠)
眠気や疲労感の解消だけでなく、論理的思考力や車の運転技術なども向上します。
- パワーナップ(20分の仮眠)
時間帯は15時までに行う、詳しい説明は下記の記事からどぞ。↓
- ホリデーナップ(90分の休日仮眠)
休日の寝だめはNG、体内時計を狂わせ生活リズムを崩すきっかけになります。
詳しい説明は下記の記事からどぞ。↓
仮眠で大切なことは、
- 力が抜けてすごく楽な状態
- 今とてもリラックスしている
- いま回復している
といった自己暗示で熟睡せずとも、ウトウトするだけでも十分です。
力を抜くコツとして、一度思いっきり力を入れた後、一気に力を抜いてみると上手くいきます。分割睡眠(多相睡眠)は、こちらの記事で詳しく説明しています。↓
早起きをするための約束事
- 布団の中にいる総時間を睡眠時間とする
- 睡眠時間を削るペースは最大で15分/週とする
- 1週間の内、3回失敗すればやり直し(2日連続はNG)
- 休日の起床時間前後は2時間まで
寝起き・日中ともに、眠気を感じる状況が1週間続くようであれば、いったん睡眠時間を削るのを辞めて計画を見直しましょう。
まとめ
仮に1週間で15分の睡眠時間を短くできれば、おおよそ1ヶ月で1時間、2ヶ月で2時間が短縮できます。
これをいつまで続けるかは、本人次第ですが早起きの約束事を、守っていさえすれば自分自身の限界が、わかるはずです。これは単に睡眠時間を削るだけでなく、生活環境(習慣)に深く関係してくる話です。
一度手に入れれば、崩れにくくとても価値のある、朝の時間を無理なく手に入れていきましょう。
あとがき
私は個人的に5~7時間の間が一番リズムが良いですね。
たまに、飲み過ぎたり、時差ボケで帰って来たりすると、崩れてしまうんじゃないかと神経質になって、ちょっとリズムを崩してしまいますが、それは仕方ない事だと割り切っています。一度作った習慣は、なかなか元に戻りにくいので、二度目、三度目は一番最初より、習慣づくりは楽になりますから安心してくださいっ
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