寝起きに吐き気という組み合わせは最悪です。この吐き気は体調やストレスの影響を受けやすい、胃はとてもデリケートな臓器で、胃の不調は私たちの健康に重大な影響を与えます。誰もが一度は悩むこの吐き気、実は思ったよりも厄介で早めに病院の診察を受ける事をおすすめします。その理由…
寝起きシリーズの目次は下記リンクよりどぞ ↓
第1回 寝起きに頭痛、それ放っておくと癖になる?対処法まとめ
第5回 寝起き が 悪い 人は必見!パッチリ目覚めるたった3つの習慣
第7回 寝起きにめまい!放っておくと危険な理由と原因・治し方
第14回 寝起きの腹痛は放っておくと危険!今すぐ原因をチェック!
第15回 寝起きに喉痛い!原因はたったの3つ!【対策まとめ】
総集編 寝起き大百科【永久保存版まとめ】
寝起きに吐き気、えっ、それ大丈夫?と思わない人が意外といるようです。
この寝起きに起きる吐き気、実はちょっと厄介なんです。前回の記事では、寝起きの頭痛がひどい場合、吐き気や実際に吐いてしまうこともある、という事もお伝えしました。しかし、頭痛はなくとも、寝起きには吐き気をもよおすケースがあります。
寝起きに吐き気を感じた時、まず原因は何なのか、そしてそれをどう解決するか、今日はできるだけ整理してお伝えします。
目次はこちら
寝起きに起きる吐き気は原因がわかりづらい
食べ過ぎや飲みすぎ、嗅覚や味覚、視覚など外部からの刺激による吐き気は寝起きにはあまり考えられません。
大きく分けることが出来るのは、
- 頭痛を伴う吐き気は脳や神経の疾患
- 腹痛を伴う吐き気は消化器系の疾患
- 精神的・心理的なもの
- 薬物の副作用や中毒によるもの
- つわり
しかし、吐き気・嘔吐は、多くの病気に伴って起こるため、何が原因なのか医師でも意見が分かれがちです。
実際に病院で受診するときには、吐物の状態や、他にどのような症状があるのか、なども確認する必要があり自分でどうにかするというよりか、まず病院で診察を受けましょう。
寝起きに起きる吐き気の代表的な原因
寝起きに起きる吐き気の代表的な原因は大きく6つに分けることが出来ます。
胃酸過多、逆流性食道炎、心因性嘔吐、ヒートショック、低体温症、つわりです。この中で最も多い吐き気の原因となるのが胃酸過多です。そして、胃酸過多に伴う逆流性食道炎になります。
胃酸過多
ストレスにより胃の機能不全が起きると、胃酸の分泌量も乱れがちに。
胃酸が過剰に分泌されると胃痛が起こしたり、ひどくなると胃壁を傷つけて胃潰瘍になってしまったりすることも。
逆流性食道炎
逆流性食道炎になると夜、寝ている間に胃酸が食道に逆流してムカムカと胸やけがします。
胃酸過多なのと、胃と食道の間にある弁の機能が低下して逆流してきてしまうのです。
心因性嘔吐
心因性嘔吐(神経性嘔吐)は、嘔吐の原因となる明らかな異常がなく、心理社会的なストレスが原因で吐き気を催してしまいます。
不安や緊張を伴う場面で発生することが多いのですが、本人は心理的ストレスを自覚していない場合もあります。また、寝起きに嘔吐してから朝起きただけで吐き気をもよおすようになるなど、特定の時間や場所に症状が出現する「条件付け」が関係している場合もあるようです。
寒暖差による動脈硬化(ヒートショック)
暖かい布団から起き上がったり暖かい部屋から寒い場所へと寒暖の差がある場所に移動したときに、吐き気をもよおす場合には寒暖差による動脈硬化が考えられます。
冬は寒さで血管が収縮するため、ただでさえ血圧が上がりやすい季節。さらに室内外の温度差によるストレスで血管に強い圧力がかかると、突然プラークが破裂してしまい吐き気を起こしてしまいます。
低体温症
女性に多く見られる病気で、お酒や睡眠薬が低体温症の引き金になるケースもありますが基本的には、栄養不足や疲労、水分不足、糖尿病、平熱が35度以下の人に多く見られます。
睡眠中は1日の中で最も体温が下がってしまします。寝起きに十分に体温を上げれない場合、血液の循環が悪く、胃腸などの活動が弱まってしまいます。そのため、夜に食べたものがそのまま朝まで消化せず胃に残ってしまった場合、未消化による違和感を寝起きに感じてしまい吐き気をもよおしてしまいます。
妊娠(つわり)
寝起きに吐き気がひどくなることを「朝つわり」と呼ぶことがあります。
英語では、つわりのことを「morning sickness」というくらいで、寝起きにつわりの症状がつらいという妊婦さんは多くいます。朝つわりは、吐き気をもよおす「食べつわり」の人に特によく見られる現象です。食べつわりはお腹が空いた状態になると気持ち悪くなりますが、寝起きのときもお腹が空いているため、吐き気を感じてしまうのです。
寝起きで起きる吐き気の対策
共通する対策案として、寝るときは上体を高くすること。
食後すぐ横になると、胃の中の胃酸が逆流して食道にたまりやすくなってしまいます。食後1~2時間は横にならないようにしましょう。夜寝るときに胸やけが強い場合は、寝る前の食事は避け、夕食の量は少なめにし、さらに上体を高くして寝ると効果的です。
クッションやマットを折り曲げて10~20㎝程度高くなるように工夫。横向きに寝るときは左側を下にして、うつ伏せ寝は胃などを圧迫するので避けましょう。
胃酸過多
食べたり食べなかったりというムラのある食生活は、胃に悪影響を及ぼす大きな原因です。
規則正しい食生活をベースに、生活リズムを整えましょう。食事の内容は、動物性たんぱく質や脂肪分を多く含む食材は控えめにすること。腹八分目を心がけながら、よくかんでゆっくり食べると、胃や食道への負担を減らせます。
原因となっているストレスや緊張を取り除くのが一番の対策ですが、「それは難しい」という人は、食事の環境を見直してみましょう。
逆流性食道炎
不快な症状は日常生活の改善だけでも緩和されることがあります。
暴飲暴食、早食い、食後すぐに寝ることは、3大悪なのでやめましょう。また肥満は胃食道逆流症を引き起こす最大のリスクです。食べ過ぎは胃酸の分泌を増やし、胃内を圧迫します。食生活の改善や運動習慣など肥満解消に努めましょう。
具体的には、胸焼けしやすい食品は遺産の分泌を高めてしまい、胃内での停滞が長いため逆流を起こしやすいとされています。アルコールは胃酸分泌を高めるだけでなく、下部括約筋をゆるくします。
腹圧が上がると胃から食道に逆流しやすい状態になるので、重たいものを持たない、排便時にいきまないことを心掛けましょう。
心因性嘔吐
症状が激しい時は薬物療法を行います。
吐き気止めの点滴や抗不安薬・抗うつ薬が使われます。症状が比較的落ち着いている時には、睡眠・休養をしっかりとる生活を心がけることを指導します。また心理療法、自律訓練法などの治療法も効果的です。
最も大切なことは、自分の抱えているストレスをはっきりさせ、医師やカウンセラーなどの協力者と一緒に根本的な解決策を考えていくことです。
寒暖差による動脈硬化(ヒートショック)
動脈硬化を防ぐ最大のポイントは、善玉のHDLコレステロールを増やして、悪玉の LDLコレステロールを酸化させる中性脂肪を減らすこと。
そのための確実な方法は運動です。ウォーキングも効果的ですが、寒い冬は室内で手軽にできるスロートレーニングが おすすめです。ゆっくりとした動作を繰り返すトレーニングなので、膝や関節にかかる負担が少なく、筋肉への血流を高めます。
毎日1回でも2回でも、できる範囲で体を動かしましょう。
低体温症
健康のため、寝起きに冷たい水を飲む人がいると思いますが、これは腸を刺激し、自律神経を整える作用があります。
そうであれば、低体温のことを考え、冷たい水ではなく、温かい飲み物を寝起きに飲めば、一石二鳥です。食事で低体温対策として効果的なのは、ショウガ、ネギ、ニラ、ニンニクの4つです。食材の中の成分が、体を温めてくれます。温かいショウガは、より体を温めやすくなりますから、低い温度でショウガをとるよりも、少しお湯の中に入れるなどするといいでしょう。
下半身や首を温め、身体中の血液が冷めないようにすること。一方で、「頭寒足熱」というように、頭は冷やした方がいいでしょう。
妊娠(つわり)
つわりがひどい時期は「これが永遠に続くのでは」とネガティブに考えてしまいますが、多くの妊婦さんは妊娠16週目頃までに治まるものです。
寝起きの吐き気を軽減したい場合は、寝起きの空腹を出来るだけ避け、朝起きてすぐ口に出来るものを準備しておくなど、寝起きに吐き気を感じる前に何か口に入れるようにしましょう。
まとめ
私たちは生命の維持に必要な栄養素を食事から摂取しています。
栄養素を体内に取り込む上で、胃の働きが重要ですが、胃は体調やストレスの影響を受けやすい、とてもデリケートな臓器であり、胃の不調は私たちの健康に重大な影響を与えます。寝起きの吐き気は、根本的な治療が難しい、治療までに長い時間がかかるため基本的に対症療法が多いようです。
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あとがき
診察を受ける前に少しでも情報を調べておくだけで、医師と出来る会話も違ってきますし、自分の状態をできるだけ正確に伝えることもできます。
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